YAMAHA(ヤマハ)のNS-1000Mについて【スピーカー】
YAMAHA(ヤマハ)が1974年から1997年の間に販売していたNS-1000Mは、ピュアベリリウム振動板が初めて使われたスピーカーです。
ピュアベリリウム振動板は硬度と剛性、伝播速度の速さを備えつつ、それでいて軽いという優れた素材でありながらも、簡単に加工できないとされていましたが、そんな難しい素材を使うことに成功したのがNS-1000Mなのです。
狂いのないワイドレンジな音調に、ブライトで鮮明かつ開放的な中高音を魅力とするYAMAHA(ヤマハ)のNS-1000Mは世界的にも注目を浴び、スウェーデンやフィンランドの国営放送のモニタースピーカーにも採用されました。
ユニットは低域にJA-3058A(コーン型ウーファー/30cm)、中域にJA-0801(ドーム型スコーカー/8.8cm)、高域にJA-0513(ドーム型トゥイーター/3.0cm)を搭載しています。
ピュアベリリウム振動板は中高域の振動板に使われています。
低域のコーン型ウーファーにはコルゲーション付きのコーン紙が用いられ、リアルな入力信号を生み出すべく、2種類の樹脂を重ねてコーティングしたクロスエッジも使われています。
中域のドーム型スコーカーの使われているベリリウムダイアフラム(振動板径68mm)は特殊なコーティングを行うなど、YAMAHA(ヤマハ)のオリジナル製法で作られています。
2種の樹脂で重ねてコーティングした布でできたタンジェンシャルエッジも用いられています。
高域のドーム型トゥイーターにはベリリウムの持つ特質を生かしつつ軽さも備えた振動板やタンジェンシャルエッジが用いられています。
実際に耳で聴いた感覚を踏まえながら設計したネットワーク部では、口径の大きなフェライトコア入りボビンや大型のアッテネーターが使われています。
完全密閉の本体は24mmの前面バッフルに25mmの背面板、20mmの天板と底版、側板を黒色半艶で仕上げ、美しくも実に強固な作りとなっていますね。
販売されていた23年間で多くの人々を魅了しただけでなく、今でも人気が衰えないYAMAHA(ヤマハ)のNS-1000M。
機会があればその素晴らしさをぜひ実際に味わってみてください。